ブラインシュリンプの育て方【初心者向け】水温28℃と塩抜きの手順

アクアリウム

「ブラインシュリンプの卵を手に入れたけれど、塩水の濃さも水温もわからない」「孵化した幼生を稚魚の水槽へそのまま入れていいのか不安」——そんな人に向けて、ブラインシュリンプの飼い方を初心者向けにまとめた記事です。ここでいう飼い方は、乾燥した卵を塩水で孵化させ、孵化直後の幼生を稚魚に与えるまでの流れを指します。

ブラインシュリンプは、世界の塩湖など塩分の高い場所にすむ小型甲殻類アルテミアの卵を、孵化させて使う活き餌です。乾燥した耐久卵を塩水に入れ、水温28℃で約18〜24時間置くと、孵化直後の幼生(ノープリウス)が出てきます。大きさは約0.4mm〜1mm以下で、小型魚の稚魚が食べやすいサイズです。

結論から言うと、手順そのものは多くありません。つまずきやすいのは、水温と塩水の濃さを外すこと、孵化後に塩を抜かず水槽へ持ち込むこと、余るほど作ってしまうことの3つです。孵化させる量も与える量も、その日に稚魚が食べ切れる分に合わせるのが、いちばん確実な進め方です。

先に結論

塩湖の生き物の卵を使うため、水道水500mlに塩10g(2%)の塩水と、28℃前後の水温が基本です。難易度は★★☆☆☆で、孵化は約18〜24時間。取り出した幼生は水道水ですすいで塩抜きをし、朝夕2回以上、食べ切れる量だけ稚魚に与えます。卵の量や魚種ごとの給餌量は、購入先の説明書や飼育書で確認してください。

  1. ブラインシュリンプの飼い方の基本データ:水温28℃・塩水2%・約18〜24時間で孵化
      1. ブラインシュリンプの培養(孵化)の条件の目安
  2. ブラインシュリンプを孵化させる目的:幼生は約0.4〜1mmで稚魚が食べやすい
  3. ブラインシュリンプは初心者向き?難易度★★☆☆☆とつまずきやすい3点
  4. 孵化の準備:水道水500mlに塩10g、28℃の保温とエアレーション
      1. 塩水の濃さと塩の量
      2. 水温と孵化にかかる時間
      3. エアレーション・光・道具
  5. ブラインシュリンプの孵化手順:塩水づくりから稚魚に与えるまで7ステップ
  6. 日々の管理:孵化器を2つ使い、朝夕2回の給餌に合わせて時間をずらす
      1. 卵の保管と使える期間
  7. 幼生の取り出し方と塩抜き:片側から光を当て、水道水ですすいでから与える
      1. 光とスポイトで集める
      2. 塩抜きの方法と理由
  8. 稚魚への与え方:朝夕2回以上、食べ切れる量だけを塩抜きして与える
      1. 回数は朝夕の2回から
      2. 量は食べ切れる分だけ
  9. ブラインシュリンプと加工品・グリーンウォーターの比べ方:手間と使い分け
  10. ブラインシュリンプが孵化しない・水が濁るときの原因と対処:症状から探す早見表
  11. 孵化容器の洗浄とにおい対策:子どもやペットが触れない置き場所
  12. 実例メモ:ブラインシュリンプを水500mlの孵化器で始めるならこうする
      1. 最初の30日で見るポイント
      2. 初心者が迷いやすい判断を表にすると
  13. ブラインシュリンプを始める前に知っておきたい注意点
  14. ブラインシュリンプの孵化に向いている人・向いていない人
  15. よくある質問(FAQ)
      1. Q1. ブラインシュリンプは初心者でも育てられますか?
      2. Q2. ブラインシュリンプとアルテミアは同じものですか?
      3. Q3. 塩水の濃さは2%と3%のどちらにしますか?
      4. Q4. 孵化には何時間かかり、いつ取り出せばいいですか?
      5. Q5. 室温が低い部屋でも孵化しますか?
      6. Q6. 塩抜きは、少しの量でも必要ですか?
      7. Q7. 余った幼生は翌日に回せますか?
      8. Q8. 稚魚には1日に何回、どのくらい与えますか?
      9. Q9. 開封した卵はいつまで使えますか?
  16. まとめ

ブラインシュリンプの飼い方の基本データ:水温28℃・塩水2%・約18〜24時間で孵化

塩湖にすむアルテミアの乾燥卵を使うため、基本データは魚の体長や寿命ではなく、孵化の条件の目安として表にまとめます。

ブラインシュリンプの培養(孵化)の条件の目安

項目 目安 補足
使うもの アルテミアの乾燥卵(耐久卵) 孵化後の幼生や卵黄だけの加工品とは別のもの
別名 アルテミア 学名に由来する呼び名
自然の生息地 世界の塩湖など塩分の高い場所 淡水に入れると弱り、やがて死ぬ
塩水の濃さ 2〜3%(初めては2%) 2%は水500mlに塩10g。水道水を使う
水温 28℃が適温。20℃以上が必要 水温が低いほど孵化に時間がかかる
孵化の時間 28℃で約18〜24時間 遅くとも約24時間以内が目安
エアレーション 卵が底に沈まず循環する強さ 弱すぎると卵が沈み、強すぎると効率が落ちる
光 容器の片側から当てる 取り出すとき、幼生が光に集まる性質を使う
幼生の大きさ 約0.4mm〜1mm以下 小型魚の稚魚が食べやすい大きさ
与える回数 朝夕の2回以上〜1日5回 稚魚に与える場合
卵の保管 密閉して低温・冷暗所 開封後は湿気などで孵化率が下がる
難易度 ★★☆☆☆ 手順は少ないが、毎日の作業が続く

ブラインシュリンプは「アルテミア」とも呼ばれます。同じ名前で語られても、孵化させて使う乾燥卵と、孵化後の幼生や卵黄だけにしたアルテミアの加工品は、別の餌です。買うときは、孵化させる乾燥卵なのか、加工された餌なのかを、商品の説明で確認してください。

耐久卵は、乾燥した状態で長期保存できるのが特徴です。塩水に入れると孵化が始まるため、必要なときに必要な分だけ孵化させて使えます。生息地の塩湖は塩分が高い環境で、孵化にも水道水に塩を溶かした塩水を使います。

ブラインシュリンプを孵化させる目的:幼生は約0.4〜1mmで稚魚が食べやすい

孵化したばかりのブラインシュリンプの幼生は、約0.4mm〜1mm以下という小ささで、口の小さい小型魚の稚魚でも食べやすい活き餌です。

大きさに幅があるため、稚魚の口に合うかどうかは、与えたあとに食べているかを確かめて判断します。与える相手は小型魚の稚魚が中心です。稚魚以外や大きめの魚の稚魚に使うときは、口の大きさや食べ方が違います。量や回数の数値は魚種で変わるため、飼っている魚の飼育書や購入先で確認してから決めてください。

孵化させる手間をかける価値があるのは、稚魚に孵化直後の幼生を毎日途切れず用意できるときです。稚魚がいない時期や、毎日の作業が難しい時期は、孵化を始めず、卵を密閉して保管しておくほうが無駄がありません。稚魚を育てる魚の飼い方全般は、メダカの飼い方やグッピーの飼い方の記事を参考にしてください。

ブラインシュリンプは初心者向き?難易度★★☆☆☆とつまずきやすい3点

塩水に卵を入れて、約18〜24時間後に幼生を取り出すだけの流れなので、手順そのものは初心者でも覚えられます。

先に結論です。難易度は★★☆☆☆です。難しさは手順ではなく、毎日同じ時間帯に作業を続けられるかどうかにあります。孵化に約1日かかるため、今日使う分は昨日のうちに仕込む必要があり、数日家を空ける時期は稚魚の餌が途切れます。

つまずきやすい点は3つあります。1つ目は、水温を28℃近くに保てないことです。20℃以上が必要で、水温が低いほど孵化に時間がかかります。2つ目は、塩抜きを省いて稚魚の水槽に塩分を溜めること。3つ目は、孵化させた幼生を余らせることです。孵化後は栄養価が下がり、淡水では幼生が弱って死ぬため、余りは餌として使いにくくなります。

初心者が誤解しやすい点

「孵化した幼生を稚魚の水槽に入れておけば、そのまま餌として泳ぎ続ける」は誤解です。塩分の高い場所にすむ生き物なので、淡水に入れると弱り、やがて死にます。食べ残しや死骸は水質を悪化させます。かといって、塩水ごと入れて生かそうとするのも避けます。水換えの少ない稚魚の水槽では、塩分が溜まって悪影響が出るためです。

孵化の準備:水道水500mlに塩10g、28℃の保温とエアレーション

塩湖の生き物の卵を孵化させる準備は、塩水・水温・空気・光の4つを、それぞれ決まった濃さと強さと向きにそろえることです。

塩水の濃さと塩の量

孵化に使う塩水は、水道水に塩を溶かして作ります。濃さは2〜3%の幅があります。水の量ごとの塩の量は次のとおりです。

濃さ 水の量 塩の量
2% 500ml 10g
2% 1L 20g(割合で計算)
3% 1L 粗塩30g
3% 500ml 15g(割合で計算)

初めての孵化は2%から始め、水500mlに塩10gをはかりで量って溶かします。2%の1Lと3%の500mlは、基準の数値から割合で計算した値です。購入した卵の説明書に濃さや塩の種類が書かれているときは、説明書を優先してください。

水温と孵化にかかる時間

孵化の適温は28℃です。孵化には20℃以上が必要で、20〜30℃の範囲で孵化できますが、水温が低いほど時間がかかります。水温ごとの見込みと対応は次のとおりです。

水温 孵化の見込み 対応
30℃を超える 孵化できる範囲(20〜30℃)を外れる 温めすぎない。水温計で上限を確認する
28℃前後 適温。約18〜24時間 この水温を目標に保つ
25〜27℃前後 孵化できる。約16〜24時間と幅がある 時間より幼生の泳ぎで取り出しを判断する
20〜24℃ 孵化できるが、水温が低いほど時間がかかる 28℃に近づけられないか考える。待つ場合は幼生が泳いでいるかで判断する
20℃未満 孵化に必要な水温に届かない 保温して水温を上げてから始める

25℃で約16〜20時間、27℃前後で約24時間、28℃で約18〜24時間と、数字には幅があります。水温だけで時間が決まるわけではないため、時計の数字より、容器の中で幼生が泳いでいるかを見て取り出す時期を決めます。水温は28℃を目標に、水温計で測りながら保ちます。

エアレーション・光・道具

エアレーションは、卵が容器の底に沈まず、水の中を循環する強さに調整します。弱すぎると卵が沈んで孵化率が下がり、強すぎても孵化効率が落ちるため、強さを変えられる形にしておきます。光は、取り出すときに容器の片側から当てます。

取り出しにはスポイト、塩抜きには茶こし・メッシュカップ・コーヒーフィルターなどの濾し器と水道水を使います。孵化の時間をずらして毎日途切れず与えるため、孵化用の容器(以下、孵化器)は2つ用意します。水500mlを入れても縁まで余裕のある大きさを選びます。

水温が足りない季節は、28℃近くまで保温する手段を決めてから始めます。保温器具の設定は、使う器具の説明書に従ってください。

ブラインシュリンプの孵化手順:塩水づくりから稚魚に与えるまで7ステップ

乾燥した耐久卵は塩水に入れると孵化が始まるため、手順は塩水・水温・卵・空気・待つ・取り出す・塩抜きの順に進めます。

  1. 塩水を作る:水道水500mlに塩10gを溶かし、2%の塩水にします。塩の粒が見えなくなるまで混ぜます。
  2. 水温を28℃に近づける:水温計で測り、28℃を目標に保温します。20℃未満では孵化に必要な水温に届きません。
  3. 卵を入れる:購入した卵の説明書にある量を守ります。目安がないときは少なめから始めます。多すぎると水が濁って酸欠になり、孵化率が下がります。
  4. エアレーションを入れる:卵が容器の底に沈まず、水の中で循環する強さに調整します。
  5. 待つ:28℃で約18〜24時間です。18時間を過ぎたら、容器の中で幼生が泳いでいるかを目で確かめます。遅くとも約24時間以内に取り出します。
  6. 幼生を取り出す:エアレーションを止めてしばらく置き、殻と未孵化の卵をはなします。光に集まった幼生をスポイトで吸い取ります。
  7. 塩抜きして与える:濾し器に入れて水道水ですすぎ、塩水を洗い流します。そのまま稚魚へ、食べ切れる量だけ与えます。

最初の1回は、孵化の様子を見るだけで終わります。稚魚に与える日の前日に1つ目の孵化を始めておくと、翌日から餌が途切れません。水温28℃と塩水2%の2つを最初から守ることが、初心者の失敗をいちばん減らします。

日々の管理:孵化器を2つ使い、朝夕2回の給餌に合わせて時間をずらす

ブラインシュリンプは孵化に約18〜24時間かかるため、「今日の餌は昨日のうちに仕込む」という考え方が日々の管理の中心になります。

孵化器が1つだけだと、幼生を取り出せるのは1日に1回です。孵化後は時間とともに栄養価が下がるため、取り出した幼生は孵化直後に使い切るのが基本で、翌日まで取っておく前提にはしません。稚魚に朝夕の2回以上与えるなら、孵化の時間をずらして容器を2つ使います。孵化器を2つ使って半日ずらすことが、毎回孵化直後の幼生を用意する基本の形です。

時刻の例 作業 確認すること
朝7時 孵化器Aから幼生を取り出し、塩抜きして与える。Aを洗い、新しい塩水と卵でセットし直す 幼生が光に集まるか。殻や卵が混ざっていないか
日中 水温とエアレーションを見る 28℃前後か。卵が底に沈んでいないか
夜7時 孵化器Bから取り出し、塩抜きして与える。Bを洗い、セットし直す Aと同じ。食べ残しが出ていないか
随時 稚魚の水槽の底と水中を見る 食べ残しや、泳ぎ続ける幼生がないか

表の時刻は一例です。朝7時にセットしたAは翌朝7時に、夜7時にセットしたBは翌夜7時に取り出す計算で、約24時間以内という孵化時間に収まります。生活に合う時刻に置き換え、2つの容器を12時間ほどずらして使います。

日中は、水温・エアレーション・水の状態の3つを見ます。孵化器の水は足し替えて使い続けず、取り出すたびに容器を洗い、新しい塩水でやり直します。殻や未孵化の卵が残った水を、次の孵化に持ち越さないためです。

卵の保管と使える期間

乾燥した耐久卵は長期保存できますが、開封後は湿気などで孵化率が下がります。口をしっかり閉じて密閉し、低温で暗い場所に置きます。使える期間は、開封後約1年でほとんど孵化しなくなるという目安から、購入後約2年を過ぎると孵化率が下がるという目安まで幅があります。

孵化数が減ったときは、卵を増やす前に、古さと保管状態を疑います。卵を増やすと水が濁って酸欠になり、かえって孵化率が下がるためです。

幼生の取り出し方と塩抜き:片側から光を当て、水道水ですすいでから与える

孵化したブラインシュリンプの幼生は光に集まる性質があり、この習性を使うと、殻や未孵化の卵と分けて取り出せます。

光とスポイトで集める

流れは、エアレーションを止める、しばらく置く、片側から光を当てる、集まった幼生をスポイトで吸い取る、の順です。置く時間は条件で変わるため、殻や未孵化の卵が幼生から分かれたのを目で確かめてから進めます。

光は、容器の片側だけから当てます。幼生は光のある側に寄るので、その部分から吸い取ると、殻や卵を吸い込みにくくなります。反対側や底に残ったものは吸わず、容器ごと洗って片づけます。

塩抜きの方法と理由

吸い取った幼生は、茶こし・メッシュカップ・コーヒーフィルターなどの濾し器に入れ、水道水ですすいで塩水を洗い流します。幼生が通り抜けるほど目が粗い道具だと流れてしまうため、その場合はコーヒーフィルターのような目の細かいものに替えます。

塩抜きをする理由は、稚魚の水槽に塩分を持ち込まないためです。水換えが少なく容器が小さい稚魚の水槽では、塩分が溜まって悪影響が出ます。毎日与え続けるほど塩分は少しずつ蓄積するので、1回の量が少なくても省けません。塩分の持ち込みを防ぐため、水道水ですすぐ塩抜きは毎回行います。

すすいだ幼生は、水道水の中に置いておかず、すぐ稚魚の水槽へ移します。塩分の高い場所にすむ生き物なので、淡水の中では弱り、やがて死ぬためです。

稚魚への与え方:朝夕2回以上、食べ切れる量だけを塩抜きして与える

約0.4mm〜1mm以下の幼生は稚魚の口に合いますが、淡水では死んでしまう餌でもあります。与え方は、回数と量の2つで決まります。

回数は朝夕の2回から

稚魚への回数は、朝夕の2回以上から1日5回まで幅があります。稚魚の種類や大きさで適した回数が変わるため、飼っている魚の飼育書や購入先で確認します。迷うときは朝夕の2回から始め、食べ残しが出ないことを確かめてから、回数を増やすか決めます。回数を増やすほど、孵化器をずらして使う運用も増えます。

量は食べ切れる分だけ

与える量は、食べ切れる量だけです。与えすぎると食べ残しや死骸が出て、水質が悪化します。孵化させる量も、毎日食べ切れる分にそろえます。具体的な量の数値は魚種や稚魚の数で変わるため、飼育書や購入先の説明で確認してください。

食べ切れたかどうかは、与えたあとの水槽で判断します。次の給餌までに、泳ぎ続ける幼生や底に残る幼生がいなければ、量は適切です。残りが出たら量が多すぎるので、次の回から減らします。

ブラインシュリンプと加工品・グリーンウォーターの比べ方:手間と使い分け

孵化直後の約0.4mm〜1mm以下の活き餌を使える代わりに、塩水づくりと約1日の待ち時間という手間がかかるのが、ブラインシュリンプの特徴です。

比べる点 卵から孵化させる 孵化後・卵黄だけの加工品
作業 塩水づくり、孵化、取り出し、塩抜きを毎日行う 孵化の作業は不要
待ち時間 28℃で約18〜24時間。前日に仕込む 孵化を待つ時間は不要
保存 乾燥卵は長期保存でき、必要な分だけ孵化させる 保存方法は商品ごとに違う
鮮度 孵化後は栄養価が下がるため、直後に使い切る 与え方は商品の説明書に従う

毎日2回、決まった時間に作業できるかどうかが、卵から孵化させるか加工品にするかの分かれ目です。それが難しいときは、加工品の餌を使う選択肢もあります。加工品が自分の飼う稚魚に合うかどうかは、商品の説明書や購入先で確認してください。

稚魚の餌には、ほかにグリーンウォーターを使う方法もあります。濃さや酸欠の注意点は、グリーンウォーターの作り方の記事にまとめています。

ブラインシュリンプが孵化しない・水が濁るときの原因と対処:症状から探す早見表

塩水の濃さ・水温・エアレーション・卵の量・卵の古さのどれかがずれると、ブラインシュリンプの孵化は思うように進みません。症状から原因と対処を探せるように、表にまとめます。

症状 考えられる原因 対処
約24時間たっても幼生がほとんど出ない 水温が低い(20℃以上が必要で、低いほど時間がかかる)。塩水の濃さがずれている。卵が古い 水温計で測って28℃に近づける。塩の量を量り直す。卵の保管状態と古さを確かめる
卵が容器の底に沈んでたまる エアレーションが弱すぎる 卵が底に沈まず循環する強さまで上げる
空気を強めても孵化数が増えない 強すぎて孵化効率が落ちている 循環する最小限の強さに戻し、水温・濃さ・卵の古さを確かめる
水が濁る・においが出る 卵の入れすぎ(水が濁り、酸欠になる) その回の幼生は与えず、容器を洗って作り直す。卵は説明書の量以下に減らす
孵化が遅い 水温が28℃より低い 28℃に近づける。20℃未満なら孵化の条件に届かない
取り出した幼生に殻や卵が混ざる エアレーションを止めて置く時間が短い。吸い取る位置がずれている 殻と卵が分かれるまで置く。片側から光を当て、集まった部分だけを吸う
稚魚の水槽で幼生が泳ぎ続け、底にも残る 与えすぎ。幼生は淡水で弱って死ぬ 量を減らして食べ切れる分にする。底に残った死骸は取り除く
稚魚の水槽に塩分が溜まる 塩抜きが足りず、塩水を持ち込んでいる 濾し器の上から水道水を十分にかけてすすぐ。塩水を水槽に注がない
以前は孵化したのに最近しない 開封後の卵が湿気などで孵化率を落としている 密閉して低温・冷暗所に置く。期間の目安を過ぎた卵は新しい卵に替える

原因が複数考えられるときは、水温、塩水の濃さ、エアレーション、卵の量、卵の古さの順に確かめます。条件は1回につき1つだけ変えて比べると、どの変更が効いたのかがわかります。複数を同時に変えると、うまくいっても原因が特定できず、同じ失敗を繰り返しやすくなります。

水が濁ったり、においが出たりした回の幼生は、与えずに処分します。原因を切り分けられないまま稚魚に与えるのは避け、その回は容器を洗って作り直します。次の回までの餌は、飼っている魚の飼育書や購入先の説明を参考にしてください。

孵化容器の洗浄とにおい対策:子どもやペットが触れない置き場所

塩水を28℃近くで約1日置く孵化器には、殻や未孵化の卵が残るため、取り出すたびに洗って使い直す前提で運用します。

洗うのは、孵化器の容器、スポイト、濾し器です。水道水でよくすすぎ、洗剤を使った場合は洗剤が残らないように流します。前の回の殻や卵、濁りを次の回に持ち越さないことが、においと失敗を減らす基本です。においや濁りが出たときの対処は、前の章の表に沿って進めます。

孵化器は、小さな子どもやペットの手が届かない場所に置きます。エアレーションの電源コードやコンセントの近くで水がこぼれない位置に置き、容器が倒れにくい平らな面を選びます。

作業後の手洗いと体調について

乾燥卵や塩水を扱ったあとは、石けんで手を洗います。ブラインシュリンプの卵や塩水が、人やペットの健康にどう影響するかは、この記事では断定しません。誤って口に入れたときや体調に不安があるときは、医師や獣医師に相談してください。

実例メモ:ブラインシュリンプを水500mlの孵化器で始めるならこうする

ここでは、水500mlの孵化器を2つ使い、小型魚の稚魚に朝夕2回与える想定で、初心者向けの基本プランを提案します。実際に育てた記録ではなく、条件を決めた計画の形で整理します。

条件は次のとおりです。塩水は水道水500mlに塩10g(2%)、水温は28℃、エアレーションは卵が底に沈まず循環する強さにします。卵は説明書の量を守り、目安がなければ少なめにします。孵化器Aは朝7時、Bは夜7時にセットし、それぞれ約24時間後に取り出します。取り出した幼生は濾し器で塩抜きし、食べ切れる量だけ与えます。最初の1週間は条件を変えず、同じ手順を繰り返して、その部屋での孵化にかかる時間をつかみます。

最初の30日で見るポイント

  • 1週目:孵化器Aだけを朝7時にセットし、毎日同じ条件で回す。取り出すまでにかかる時間を毎回見比べ、その部屋での孵化時間をつかむ。与える量は、食べ残しが出ない少なさから始める
  • 2週目:孵化器Bを夜7時にセットして、朝夕2回の給餌に切り替える。AとBで塩抜きの手順を同じにそろえる
  • 3週目:給餌のあとで、水槽の底と水中に幼生が残っていないかを確かめる。残るなら量を減らす。残らず食べ切るなら、回数を増やすかどうかを稚魚の種類を確認して決める
  • 4週目:卵の容器が密閉できているか、湿気を含んでいないかを点検し、1週目と比べて孵化数が落ちていないかを見る。落ちていたら、卵を増やす前に保管と古さを見直す

初心者が迷いやすい判断を表にすると

見るポイント 安心できる状態 見直したいサイン
水温 28℃前後で安定している 20℃を下回る。または24時間たっても幼生が出てこない
エアレーション 卵が底に沈まず、水中を回っている 卵が底にたまっている。または空気を強めても孵化数が増えない
水の状態 濁りやにおいがない 濁る。においが出る
取り出すとき 光を当てた側に幼生が集まる 集まる幼生が少ない。殻や卵が混ざる
稚魚の水槽 与えたあと、食べ残しや泳ぎ続ける幼生がない 底に幼生が残る。水質が悪くなる

お迎え前チェックリスト

  • 買う卵が、孵化させる乾燥卵だと商品の説明でわかる
  • 水500mlと塩10gを、はかりで量れる
  • 水温を28℃近くに保てる置き場所がある
  • スポイトと、目の細かい濾し器がある
  • 朝夕2回の作業時間を確保できる

ブラインシュリンプを始める前に知っておきたい注意点

孵化に約1日かかり、孵化後は使い切る餌なので、始める前に生活との相性を確かめておく必要があります。いちばん大きな負担は、毎日同じ時間帯に取り出しと塩抜きを続けることです。

  • 毎日の作業:回収と塩抜きは毎日必要です。数日家を空けるときの餌は、別に考えておきます。
  • 季節ごとの水温:適温は28℃で、20℃以上が必要です。室温が低い季節は、保温の手段を決めてから始めます。
  • 稚魚の成長:この餌は稚魚に向く大きさのものです。稚魚が育ったときの餌の切り替え時期は、飼っている魚の飼育書や購入先で確認します。
  • 余りの扱い:余らせない量だけ孵化させます。余った幼生を淡水に入れても、弱ってやがて死ぬだけです。

絶対にやってはいけないこと

孵化に使った塩水や余った幼生を、川・池・用水路に流さないでください。幼生は塩分の高い場所にすむ生き物で、淡水に入ると弱ってやがて死にます。稚魚の水槽へ塩水を注ぎ足すことも避けます。量を持て余したときや処分に迷うときは、卵を購入した専門店に相談してください。

ブラインシュリンプの孵化に向いている人・向いていない人

孵化に約1日かかり、孵化直後に使い切る餌なので、毎日の仕込みが前提になります。自分の生活に合っているか、表で確認してみてください。

向いている人 向いていない人
稚魚に孵化直後の活き餌を毎日用意したい 稚魚を育てる予定がない
朝夕2回、決まった時間に作業できる 数日おきにしか世話ができない
水温を28℃近くに保てる置き場所がある 保温の手段を用意できない
塩を量って濃さをそろえられる 目分量で済ませたい
食べ切れる分だけ孵化させて、余らせない 一度に多く作って取っておきたい

よくある質問(FAQ)

Q1. ブラインシュリンプは初心者でも育てられますか?

育てられます。難易度は★★☆☆☆で、塩水を作り、卵を入れ、約18〜24時間後に幼生を取り出して塩抜きをする流れです。分かれ目は手順の難しさより、毎日同じ時間帯に作業を続けられるかどうかです。

Q2. ブラインシュリンプとアルテミアは同じものですか?

アルテミアは学名に由来する呼び名で、ブラインシュリンプはアルテミアとも呼ばれます。ただし、孵化させて使うのは乾燥卵で、孵化後の幼生や卵黄だけにした加工品の餌とは別物です。購入前に、孵化させる卵かどうかを商品の説明で確認してください。

Q3. 塩水の濃さは2%と3%のどちらにしますか?

2〜3%の幅があり、初めてなら2%からにします。2%は水500mlに塩10g、3%は水1Lに粗塩30gが目安です。購入した卵の説明書に濃さの指定があるときは、そちらを優先してください。

Q4. 孵化には何時間かかり、いつ取り出せばいいですか?

水温28℃で約18〜24時間、遅くとも約24時間以内が目安です。時間には幅があるため、18時間を過ぎたら容器の中で幼生が泳いでいるかを見て判断します。水温が低いほど、時間は延びます。

Q5. 室温が低い部屋でも孵化しますか?

孵化には20℃以上が必要で、20〜30℃の範囲で孵化できます。ただ、水温が低いほど時間がかかり、適温は28℃です。20℃を下回る部屋では、保温して水温を上げてから始めます。

Q6. 塩抜きは、少しの量でも必要ですか?

必要です。稚魚の水槽は水換えが少なく容器も小さいため、塩分が溜まって悪影響が出ます。毎日与え続けると塩分が少しずつ蓄積するので、1回の量が少なくても、濾し器で水道水ですすぐ手順は省きません。

Q7. 余った幼生は翌日に回せますか?

おすすめしません。孵化後は時間とともに栄養価が下がるため、取り出したら孵化直後に使い切るのが基本です。取り置きの方法や日数はこの記事では扱わないので、余らせない量だけ孵化させるほうが確実です。

Q8. 稚魚には1日に何回、どのくらい与えますか?

回数は朝夕の2回以上から1日5回まで幅があります。迷うときは朝夕の2回から始めます。量は、次の給餌までに食べ切れる分だけです。具体的な量は魚種や稚魚の数で変わるため、飼育書や購入先で確認してください。

Q9. 開封した卵はいつまで使えますか?

開封後は湿気などで孵化率が下がります。期間の目安は、約1年でほとんど孵化しなくなるという見方から、購入後約2年を過ぎると孵化率が下がるという見方まで幅があります。密閉して低温・冷暗所で保管し、孵化数が減ったら卵の古さを疑ってください。

まとめ

ブラインシュリンプは、塩湖にすむアルテミアの乾燥卵を塩水で孵化させ、約0.4mm〜1mm以下の幼生を稚魚に与える活き餌です。手間は毎日の仕込みに集まりますが、手順は塩水づくり、孵化、取り出し、塩抜き、給餌の5段階にまとまっています。

初心者でも育てられます。難易度は★★☆☆☆で、失敗の原因は水温、塩水の濃さ、塩抜き、量のどれかに絞られます。水温28℃、塩水2%、塩抜き、食べ切れる量の4つを守れば、孵化と給餌を安定して続けられます。

特に大切な管理ポイント3つ

  1. 水温28℃・塩水2%(水500mlに塩10g)で、約18〜24時間かけて孵化させる
  2. 取り出した幼生は、濾し器で水道水ですすいで塩抜きしてから与える
  3. 孵化させる量も与える量も、稚魚が食べ切れる分だけにする

こういう人には特におすすめ

稚魚に孵化直後の活き餌を用意したく、朝夕に決まった時間で作業できる人に向いています。水温を28℃近くに保てる置き場所があり、塩水を量って毎回作り直す手間を苦にしない人なら、初めてでも落ち着いて始められます。

まずは卵の説明書を読み、水500mlと塩10gを量るところから始めてください。稚魚に与える日の前日に1つ目の孵化器をセットしておけば、翌日から無理なく流れに乗れます。

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