この記事でわかること:
- 初心者が選ぶべきプレコの種類(絶対に避けるべき種類も解説)
- プレコ飼育に必要なもの一覧(必須・推奨・あると便利なもの)
- 水槽の立ち上げ手順と水合わせのやり方
- 餌やり・水換えなど日々の管理方法
- かかりやすい病気とその対処法
「水槽にコケが生えてきた。コケを食べてくれる魚はいないかな?」
そんなきっかけでプレコに興味を持った方は多いと思います。あるいは、ショップでガラス面に吸い付いているプレコの姿を見て「なんか面白い!」と惹かれた方もいるかもしれません。
結論から言うと、種類をきちんと選べば、プレコは初心者でも十分に飼える魚です。
ただし、「コモンプレコ」や「セルフィンプレコ」などの大型種を選んでしまうと、最終的に30〜50cmにもなり、大型水槽が必要になります。最初に選ぶのは、必ず小型種(ブッシープレコ・タイガープレコ)にしてください。
この記事では、初心者がプレコを安心して迎えられるよう、必要な知識をすべて解説します。
「プレコって初心者でも飼える?」→ 結論:種類を選べば大丈夫
まず種類の選び方を押さえることが、プレコ飼育成功の第一歩です。
プレコとは、南米のアマゾン川流域に生息するナマズの仲間の総称です。アクアリウムの世界では500種以上の仲間がいます。吸盤状の口でガラス面や流木に吸い付き、コケや有機物を食べる個性的な魚です。
プレコの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 仲間 | ナマズ目(ロリカリア科) |
| 原産地 | 南米(アマゾン川流域など) |
| 寿命 | 小型種:5〜10年、大型種:10〜30年以上 |
| 適水温 | 22〜28℃ |
| 適水質 | 弱酸性〜中性(pH 6.0〜7.5) |
| 性格 | 夜行性・比較的おとなしい |
| 飼育難易度 | ★★☆☆☆(小型種は初心者向け) |
プレコは夜行性のため、昼間は流木の陰などでじっとしていることがほとんどです。「動かないけど大丈夫?」と心配になるかもしれませんが、隠れているのは元気な証拠です。
初心者に向いている種類・向いていない種類
⚠ 重要:購入前に必ず最大体長を確認してください
ショップで安く売られているプレコの多くは「コモンプレコ」などの大型種です。小さくても最終的に30〜50cmになるため、60cm水槽では飼いきれなくなります。
| 種類 | 最大体長 | 初心者向け? | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ブッシープレコ | 10〜15cm | ◎ おすすめ | コケ取り能力高い。オスに独特のヒゲがある。繁殖も可能 |
| タイガープレコ | 7〜10cm | ◎ おすすめ | タイガー柄が美しい。小型水槽でも飼育可 |
| コモンプレコ | 30〜50cm | ✕ 初心者不向き | 安価だが大型になる。大型水槽が必要 |
| セルフィンプレコ | 40〜50cm | ✕ 初心者不向き | 背びれが大きく迫力あるが大型種 |
| ロイヤルプレコ | 30〜40cm | △ 中〜上級者向け | 美しい縞模様。価格が高い |
| ゼブラプレコ | 8〜10cm | △ やや上級者向け | 繊細で水質管理が難しい |
初めてのプレコはブッシープレコかタイガープレコを選びましょう。
プレコ飼育に必要なもの一覧
必要なものをそろえてから水槽を立ち上げましょう。後から買い足すと生体に負担がかかります。
必須アイテム
| アイテム | 目安・選び方 |
|---|---|
| 水槽 | 小型種なら45〜60cm水槽(水量30L以上)。プレコは水を汚しやすいので小さすぎはNG |
| フタ | 蒸発防止・異物混入防止のため必須 |
| フィルター(ろ過装置) | 外部フィルターや上部フィルターがおすすめ。プレコは排泄量が多いので、ろ過能力が高いものを選ぶ |
| ヒーター+サーモスタット | 適水温22〜28℃。日本の冬はヒーターなしでは低温になりすぎる。実質必須 |
| 水温計 | ヒーターの故障を検知するために毎日確認する |
| カルキ抜き(塩素中和剤) | 水道水の塩素はプレコに有害。水換えのたびに使う |
| プレコ専用タブレット餌(沈下性) | コケだけでは栄養不足で餓死する。専用餌が必須 |
📌 ポイント:コケだけでは生きられません
「コケを食べてくれるから餌はいらないでしょ?」と思いがちですが、水槽内のコケはすぐになくなります。プレコは専用の沈下性タブレット餌を主食として与えてください。
あると安心なアイテム
| アイテム | 理由 |
|---|---|
| 流木 | プレコにとって隠れ家+消化補助の役割がある。体調安定のために強く推奨 |
| 産卵筒(土管・シェルター) | 隠れ家になる。繁殖を目指すなら必須 |
| 水質テスト試薬 | アンモニア・亜硝酸・pHを確認できる。水槽立ち上げ時に特に役立つ |
📌 ポイント:流木はプレコの必需品
流木はプレコが吸い付いてかじることで、消化を助けると言われています。流木なしの環境では体調を崩しやすくなるケースも。種類を選ばず、できるだけ入れてあげましょう。
あると便利なアイテム
| アイテム | 用途 |
|---|---|
| プロホース(底砂クリーナー) | プレコの糞は量が多い。底に溜まった糞を水換えのたびに吸い取る |
| バケツ(10L以上) | 水換え作業に使う |
| 底砂(砂利・ソイル) | 必須ではないが、砂を敷くと自然に近い環境に。ただし掃除が大変になるので初心者は底なし(ベアタンク:底に砂を敷かないシンプルな水槽)でもOK |
| 水草(アヌビアス・ミクロソリウムなど) | プレコは植えた水草を抜いたり食べたりするため、流木や石に活着させられる丈夫な種類がおすすめ |
水槽の準備と立ち上げ手順【7ステップ】
プレコを買う前に水槽をしっかり準備してください。いきなり魚を入れるのはNGです。
水槽を「立ち上げる」とは、魚が住める水を作る準備のことです。特に「ろ過バクテリア(魚のフンを分解してくれる微生物)」が育っていない新しい水槽にプレコをいきなり入れると、水が急速に汚れて体調を崩すことがあります。
手順1:器具をすべて水洗いする 水槽・フィルター・流木・底砂を水で洗います。新品でも汚れが付いています。洗剤は絶対に使わないでください。
手順2:水槽にレイアウトをセットする 底砂を敷き(または敷かず)、流木と隠れ家をセットします。プレコが隠れられる場所を必ず1ヵ所以上確保してください。
手順3:水を入れる(カルキ抜きを使う) 水道水にカルキ抜きを規定量入れてから水槽に注水します。
手順4:フィルターとヒーターを稼働させる フィルターをスタートし、ヒーターで水温を25℃前後に設定します。水温が安定するまで1日待ちましょう。
手順5:バクテリア剤を投入する(1〜2週間) 新しい水槽にはろ過バクテリアがいません。市販のバクテリア剤(「テトラ バクテリア」など)を使うと、バクテリアの定着を早められます。
⚠ 注意:「パイロットフィッシュ」には注意が必要
昔は丈夫な魚を先に入れてバクテリアを育てる「パイロットフィッシュ」という方法がよく使われていました。しかし、汚れた水に魚を入れることになるため、魚への負担が大きくなります。現在はバクテリア剤を使う方法が主流です。
手順6:水合わせをしてプレコを入れる ショップから持ち帰ったプレコをいきなり水槽に入れてはいけません。
- まず、袋のまま水槽に30分ほど浮かべて水温を合わせる
- 次に、袋を開けて水槽の水を少しずつ袋に加える(15〜20分かけてゆっくり)
- 最後に、プレコだけを水槽に移す(袋の水はできるだけ捨てる)
手順7:導入当日は安静にする プレコにとって新しい水槽は大きなストレスです。照明を暗くして静かに見守りましょう。餌は翌日以降から与えてください。
日々の管理方法(餌・水換え・観察)
毎日の管理はシンプルです。餌・水温確認・様子チェックの3つだけ覚えれば大丈夫です。
餌やりのポイント
- 頻度: 1日1〜2回
- 量: タブレット餌1〜2粒から始め、翌朝に残っていたら減らす
- タイミング: プレコは夜行性なので、夜に消灯後に与えると食べやすい
副食(野菜)も効果的: ほうれん草・小松菜・ズッキーニなどの野菜(茹でて冷ましたもの)を週1〜2回与えると栄養バランスが良くなります。食べ残しは数時間後に取り出してください。水の汚れの原因になります。
⚠ 注意:食べ残しは水質悪化の大きな原因です
プレコの餌(特にタブレット)は溶けやすいです。翌朝に残っていたら量を減らし、その残りはすぐに取り除いてください。
水換えのやり方
- 頻度: 週1回
- 量: 水槽の水量の1/3程度
- 水温を必ず合わせる: 換え水の温度が水槽と2〜3℃以上違うと体調を崩すことがあります。水温計で確認してから入れましょう
- カルキ抜きを使う: 換え水にもカルキ抜きを忘れずに
- 底の糞も一緒に掃除: プロホースやスポイトで底に溜まった糞を吸い取ると水質維持に効果的です
📌 ポイント:プレコは糞が多い魚です
プレコは他の熱帯魚よりも排泄量が多いです。水換えのたびに底の糞も掃除する習慣をつけましょう。
毎日の健康チェック
毎日1〜2分でいいので以下を確認しましょう。
- 餌を食べているか(食欲低下は体調不良のサイン)
- 体表に白い点・綿状のもの・傷がないか
- ヒレがボロボロになっていないか
- 流木やガラス面にしっかり吸い付いているか(弱ると吸い付けなくなる)
- 水温は22〜28℃に保たれているか
プレコを長生きさせる5つのコツ
小型プレコは適切に管理すれば5〜10年以上生きます。長く一緒に過ごすためのコツを覚えておきましょう。
コツ1:流木を必ず入れる 流木はプレコにとって「家」です。隠れ家になるだけでなく、かじることで消化を助けると言われています。流木なしの環境では体調を崩しやすくなります。
コツ2:水温を安定させる プレコが体調を崩す原因の多くは水温の急変です。ヒーターで22〜28℃に保ち、季節の変わり目は特に注意してください。20℃を下回ると食欲が落ちて免疫も低下します。
コツ3:定期的な水換えを怠らない 水質悪化は病気の最大の原因です。週1回の水換えと底の糞掃除を習慣にしましょう。
コツ4:隠れ家を十分に確保する 昼間に「動かない」のは正常です。プレコは隠れていることで安心できます。流木のほかシェルター(土管型の隠れ家)を追加すると、より落ち着いて過ごせます。
コツ5:複数飼いはスペースを確保する プレコは縄張り意識があり、同種同士でケンカすることがあります。複数飼育する場合は、それぞれが隠れられる場所を確保してください。
プレコがかかりやすい病気と対処法
早期発見・早期対応が回復の鍵です。日々の観察で異変を見逃さないようにしましょう。
| 病気名 | 主な症状 | 主な原因 | 対処法 |
|---|---|---|---|
| 白点病 | 体や鰭に細かい白い点が多数現れる。体をこすりつける | 水温の急変・低水温 | 水温を28℃に上げる+白点病用の薬(例:アグテン)を使用 |
| コショウ病 | 体表に非常に細かい黄褐色の点(コショウをかけたように見える) | ウーディニウムという寄生虫。水質悪化 | 水温を上げる+塩浴または専用薬。早期発見が重要 |
| 水カビ病 | 体の一部に白い綿状のものが付く | 傷口からのカビ感染。水質悪化 | 患部の綿を除去し、水質を改善。グリーンFゴールドなどを使用 |
| 穴あき病 | 体表に充血・潰瘍。鱗が剥がれる | エロモナス菌感染。水質悪化・ストレス | 抗菌薬(グリーンFゴールドリキッドなど)で薬浴 |
⚠ 重要:プレコ(ナマズ類)は薬品に非常に敏感です
プレコを含むナマズの仲間は、一般的な熱帯魚用の薬でも強い副作用が出ることがあります。薬浴を行う際は、必ず規定量の半量から始め、様子を見ながら調整してください。不安な場合はアクアリウムショップに相談しましょう。
病気予防の基本は「水質管理」と「水温の安定」です。 病気の大部分はこれを怠った結果起きます。
よくある質問(FAQ)
Q. プレコ飼育初心者は何cm水槽から始めればいい? ブッシープレコやタイガープレコなどの小型種なら、45〜60cm水槽(水量30〜60L程度)で始められます。プレコは水を汚しやすいので、30cm以下の小型水槽は水質維持が難しくなります。最低でも45cm以上をおすすめします。
Q. コケだけで生きていけますか? 生きてはいけますが、健康的には育てられません。水槽内のコケはすぐになくなります。プレコ専用の沈下性タブレット餌を主食として与え、コケは「おやつ」程度に考えてください。コケだけに頼ると餓死する危険があります。
Q. ヒーターは本当に必要ですか? 日本の冬(特に関東以北)では必須です。プレコの適水温は22〜28℃ですが、冬場に20℃を下回ると食欲が落ち、免疫が低下して病気になりやすくなります。ヒーターは必ず準備してください。
Q. 流木は絶対に必要ですか? 必須ではありませんが、強く推奨します。流木はプレコの隠れ家になるだけでなく、かじることで消化を助けると言われています。流木を入れることで体調が安定するケースが多く、ぜひ用意してあげましょう。
Q. プレコは大きくなりすぎませんか? 種類によります。ブッシープレコは10〜15cm、タイガープレコは7〜10cm程度です。一方、コモンプレコやセルフィンプレコは30〜50cm以上になります。ショップで安価に売られているものは大型種が多いため、必ず最大体長を確認してから購入してください。
Q. 他の魚と一緒に飼えますか? 小型プレコはおとなしい性格なので、ネオンテトラやグッピーなど同程度の大きさの魚との混泳は可能です。ただし、夜間に他の魚のヒレや体表を舐めてしまうことがある、という報告もあります。特にグッピーなど鰭が長い魚は観察を怠らないようにしましょう。
Q. プレコとコリドラスの混泳はできますか? 基本的に問題ありません。どちらも底付近を好む温和な魚ですが、餌の取り合いが起きることがあります。コリドラス用の餌とプレコ用の餌を別々に与えて、両方が食べられるようにしてください。
Q. プレコが動かない・餌を食べないのですが大丈夫? 昼間に隠れてじっとしているのは正常です。夜間(消灯後)に餌を与えて食べているなら問題ありません。ただし夜間も動かない・まったく食べないという状態が2〜3日続く場合は、水温・水質の確認と病気のチェックをしてください。
Q. 繁殖はできますか? ブッシープレコは家庭水槽でも繁殖が可能です。産卵筒(片方が閉じた筒型のシェルター)を入れると産卵しやすくなります。オスが産卵筒の中で卵を守ります。タイガープレコも繁殖の報告がありますがやや難しめです。
Q. プレコの値段はいくらくらいですか? ブッシープレコは500〜1,500円前後、タイガープレコは1,500〜3,000円前後が目安です(2026年3月現在。ショップや個体差により異なります)。コモンプレコは安いと300〜500円で売られていますが、大型種なので初心者にはおすすめしません。
Q. 水槽のガラス面の掃除はどのくらいの頻度で必要ですか? プレコがコケを食べてくれるので、ガラス面のコケ掃除の頻度は減らせます。ただし糞の掃除は週1回の水換えのタイミングで毎回行ってください。フィルターの掃除は月1回程度(製品の指示に従う)が目安です。
まとめ|まずやること3ステップ
プレコ飼育で大切なことをひとことで言うと「正しい種類を選んで、水を清潔に保つ」です。
これだけ守れば、プレコは5〜10年以上の長い付き合いができる魅力的な魚になります。
今日から始める3ステップ:
- 種類を決める → ブッシープレコかタイガープレコを選ぶ(コモンプレコはNG)
- 器具をそろえる → 水槽(45〜60cm)・フィルター・ヒーター・流木・専用餌
- 水槽を立ち上げてからプレコを迎える → バクテリア剤を使って1〜2週間待つ
| やること | ポイント |
|---|---|
| 種類を選ぶ | ブッシープレコかタイガープレコ |
| 水槽サイズ | 45〜60cm以上 |
| ヒーター | 必須(22〜28℃) |
| 流木 | 必ず入れる |
| 餌 | 専用タブレット餌が主食 |
| 水換え | 週1回・1/3量 |
プレコは隠れていることが多く、「何もしていないように見える」ことも多いです。でも夜間にライトを消したあとに覗いてみると、水槽の中を動き回ってコケをせっせと食べている姿が見られるはずです。
ショップで吸盤口をガラスに押し付けているプレコの姿に惹かれたなら、ぜひ一歩踏み出してプレコ飼育を始めてみてください。種類さえ間違えなければ、初心者でも十分に楽しめる魚です。



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